本日の粋なことばの行

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◇「はじだむ」

広島県北部・高田郡八千代町(註:平成16年3月1日より安芸高田市八千代町)の『土師ダム』。県外の方はまず読めないであろう。
本来はダム設備そのものを指していたが、一般会話に出てくる場合は、広域的な関連設備や周辺レジャー施設のことを云う。春の桜に始まってサイクリング、ピクニック、キャンプ、ボートやカヌー等、レジャーと呼べるものは一通り揃っている。観光地と云うよりは、広島市及び近隣地域の人達の憩いの場と云った感じか。
顔見知りの異性(別に同性でも良いが)から「土師ダムに行こう」と言われたら、ほぼ間違いなく正式な交際のお申し込みと思って良かろう。アヴァンチウルを満喫して頂きたい。
ただし真冬のシーズンオフ期に「土師ダムに行こう」等と切り出された場合は、うっかり重りを付けられてダム湖底に沈められるおそれもある為、注意が必要だ(そんなわけはない)。
  • 使用例
    土師ダムマスコットキャラクターの『ハジ丸くん』てネーミングはちょっとどうね」

  • ◇「はねがり」

    標準語の「針金」。父が使用している。
    他に聞いたことがないので、方言なのかどうなのかいささか疑問は残るが。
    わたくしとしては、「はりがね」と「はねがり」とでは微妙に違うと認識している。
    「はりがね」だとビーズ手芸などに使えそうだが、「はねがり」は町工場の倉庫に置いてありそう、とか。
    「はねがり」の方が堅くて、素人が扱うとぶっすり刺さりそう。
    「はねがり」の有刺鉄線なんて、考えただけで痛そうですけど。
  • 使用例(家庭にて)
    「手すりが1ケ所ねじれとるけぇ、はねがりで補強しといたで。」

  • ◇「はらがふとい」

    腹が太い=満腹である様子を表わす。
    半端な満腹感ではなく、鯨飲馬食、しばらく動けません、今腹を殴られたら死ぬね、という状態。
    ベルトを緩める映像がぴったりである。
    …しかし、この状態でもなお「別腹」というものが存在するのも事実である。
  • 使用例(夜の繁華街にて)
    「何食べる?」
    「さっき死ぬほど食うて腹が太いし、軽めのにしとくわ。…肉玉そばWのチーズ。」

  • ◇「はらんきょう」

    果物の名。すもも。
  • 使用例
    今年のはらんきょうは酸いいわい。

  • ◇「ひっつきもっつき」

    ひっつきもっつきの例
    衣服や犬の体などにくっついて種を運ぶタイプの、秋の草花の総称。またはその種。
    イノコヅチ・オナモミ・アメリカセンダングサ(写真)など。
  • 使用例
    ひっつきもっつきがひっつくけん、寄り道しんさんなよ」

  • ◇「ふうがええ」

    「ふうがわるい」という言葉がある。
    「ふう」は「風」、つまり風体や体裁などを表す。これが「悪い」状態が「ふうがわるい」。
    これに対して「ふうがええ」は、「体裁が良い」という意味かと思ったら大きな間違いで、「ふうがわるい」と「ふうがええ」は全く同義に用いられる。一見妙な気もするが、標準語でも「嘘をつくな」と「嘘をつけ」が全く同義であるという例もあり、いやあ日本語って奥が深いなあ。
    ※「嘘をつくな」と「嘘をつけ」が同義…けらえいこ著『あたしンち第9巻』より
  • 使用例
    「わあ、試食コーナーにおばはんが凄い群がっとるよ。行く?」
    ふうがええけえ、やめとけ」