本日の粋なことばの行

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◇「やいと」

「お灸」のこと。
もちろん本来の目的にも使われるが、幼少の頃は「お仕置きの最終兵器」という印象が強かった。
「やいとをすえるよ!」と言われたら、もうどうあがいてもなす術はないのだが、しかし所定の位置に「やいとをすえる」には、すえられる側の人間がじっとしていなければならないのだ。嫌がっているのにもかかわらず何故、もぐさセッティングから着火までの間、じっと座っていたのか、今となっては謎である。
おそらく「やいとをすえる」行為自体が、一種の魔力を持っていたのであろう。
こわ。

  • 使用例
    わたくしの腕には種痘の痕、背中にはやいとの痕があります。今となってはひでえ話。

  • ◇「よいよ」

    標準語でこれに該当する言葉はあるのだろうか?
    しいて言えば「やれやれ(あきれた奴だ)」か。
    「い」にアクセント。ため息を口と鼻から半分ずつ漏らしながら発音すると、なお良い。
    「よいよ」単独でも使用されるが、愚痴の接頭語としての用例が多い。
    女性はあまり使用せず、どちらかと言うとおっさん言葉だが、わたくしは好んで良く使う。
    語源はまったく不明。

  • 使用例(オフィスにて)
    「昨日入ったバイト、早速無断欠勤で、連絡も取れんらしいね」
    「ほんまに?…よいよろくなもんじゃないねえ」