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2001年3月4日

2月28日、蟹江ぎんさんが108歳でこの世を去りました。ある記事には、自ら死に装束を準備していたとも紹介されていました。大往生とはこのことを言うのでしょう。
生前彼女は、「長生きするには、気力がないとだめ」と口にしていましたが、この言葉は、やみくもに『不老長寿』を目指す現代人への警鐘であると、わたくしは受け止めさせて頂きました。…と、こういう話題は、色々複雑な問題が絡んでくるので、これ以上わたくしごときが軽く語るのは差し控えたいと思います。

…ので、一つだけ。

泉重千代さんといい、成田きんさん・蟹江ぎんさんといい、「100歳すぎても元気な老人」とかいうカテゴリー抜きで、「個人名」で呼ばれるって、なんかいいなあ。きんさんぎんさんに至ってはファーストネーム だ。

それにしても、(こう言うと不謹慎かもしれませんが)ワイドショーはまたひとつ、ネタ切れ対策の大きな切り札を失ったと言えるでしょうね。いい加減「熟女」カテゴリーから離れて欲しいものですけど。


2001年3月15日

最近、新庄がマイブームだ。どこの新庄かと云えば言わずもがな、こないだまで阪神タイガースにいたのに、ふと思いついてN.Y.メッツに行ってしまった あの新庄である。

最近まで、彼はわたくしの最も苦手なタイプだった。人気はあるが取り立てて凄い訳でなし、いつもへらへらして、言動は意味不明、「『Shinjyo』の『y』は余計だろー!!」と、どうでもいいことまで突っ込みたくなるくらい(メッツでは『Shinjo』に変えられている) 、苦手だった。のが何故、である。
イチローや佐々木と違い、彼には「これ」と言って自慢できる記録はない。誰にも期待されぬまま、単身海を渡ってしまったのである。その自信はどこから来るのだろうと思っていた。

彼は言う。
「根拠はないけど、自信だけはあるんですよねー」

人はこれを「ポジティブシンキング」と表現するかもしれない。違う。彼はネガティブに物事を考えられないという、脳の欠陥を持っているに違いないのだ。平たく言うと、阿呆である。期待されなくても気にしない、成績悪くても気にしない、マスコミにぼこぼこにされても気にしない、過去も未来も気にしない、阿呆と言う名の無敵である。こんな生き方ができたら、どんなに素晴しいだろう。
もちろん周りの事も気にしてないから、阪神もファンも何もかも放ったらかして「じゃ僕はメッツに行くから」と云う凄いことが出来るのだろう。立つ鳥跡を濁しまくりである。まるで、怪獣退治を理由に街を破壊して「じゃ僕は時間がないから」と言って、後片付けをせず行ってしまうウルトラマンのようだ。だからと言ってウルトラマンに片付けを強要する人はいないだろう。「ウルトラマンだから仕方ない」と言って。

そう。「新庄だから仕方ない」のである。新庄の特技は「自分が新庄である」と云う事実だけだ。他の何者でもない、「新庄」と云う自信だけを武器に、今の今まで生きてきて、多分これからも生きていくのだろう。
凄い。必殺技『新庄』だ。今の地球を救えるのは、案外こういう奴なのかもしれないとさえ思う。いや本気で。
…ファンじゃないから応援はしないが、観察せずにおれない存在である。

新庄剛志公式サイトhttp://www.shinjyo5.net/←ううむ、URLまで阿呆だ。(※サイトは既に存在しません)
ちなみに、先程プロフィールを見てみたら、年を除いて誕生日がわたくしと1日違いだった。
がちょーん。


2001年3月24日

本日午後3時28分頃、広島・愛媛間の安芸灘を中心に、結構でかい地震がありました。この時間わたくしは勤務先のオフィスビル内にいて、地上12階でこの揺れを体感したのであります。いやいや、ちょっとしたものですね。免震構造の為、他のビルより余計に揺れていたという話もありました。
さて。大変なのはこの後です。わたくしの仕事は、いろんな所からの電話を受けたり、いろんな所へ電話をかけたりするものですから、電話回線がどうにかなると、もうお手上げなわけですね。

そう。まさにそれです。NTT回線がパンクして、つながらなくなってしまったのです。被災地の安否の確認や、大したことないけど、話のネタに友人にちょっと電話とか、つながるかどうか117でテストとか、そんなのが積もり積もって、『ただいま大変混み合っております』というテープが無情に流れるという状況が続くのです。
とあるBBSをのぞいてみると、この件で軽いいざこざが発生しておりました。要するに
『安否確認の為だけに電話をかけるのは非常識だ』派と
『被災地に家族がいる人にとってその発言は無責任だ』派と(でもこういうBBSとかチャットとかが、回線パンクの一因てことはないのかしら…)。ニュースでも、『緊急以外の電話はかけないで下さい』と繰り返していました。

じゃその『緊急』とは?

ニュースで、家族の住む町で大きな被害があったと聞いて、居ても立ってもいられず電話をかけるのは『緊急』ではないのか?だいたいこんな自然災害の多い国で、その度に回線が混んでしまうという、しくみ自体に問題があるんじゃないでしょうか。
もちろん、「災害伝言ダイヤル」というシステムもあるにはあります。でも、使い方を知っている人がどれだけいるのか、もし伝言を録音したとして、聞いてくれなければ話にならないのです。
結局わたくしは、18時頃実家に電話をし、お互いの無事を確認することが出来ました。
…マイラインの宣伝に力入れるよりも、肝心なことが抜けていませんかねぇ、電話会社様。

おまけ。
自宅に帰って、夫と晩ごはん食べながらNHKの地震情報番組を見ていたら、上空からの広島市中心部の生映像に、ちょうど白い特攻服着て旗持った若人4〜5人が、横断歩道を走り抜けて行くのが写っていました。
全国ニュースでなかったのが不幸中の幸いだな。じっとしとけよ、こんな時くらい。


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