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2002年2月1日

CDの盤面にデータを記録することを『CDを焼く』と云うそうです。データの記録にあたって熱が加えられているものかどうか、わたくしには知る由もありませんが、まあ面白い表現ではあると思います。
しかも、てっきり日本だけの表現だと思っていたら、英語でも『burning』 なんて云う表記をしていたりして。
そういえばパソコン用のCD作成ソフト名も『なんやらToast 』とか『ほにゃららBurner』とか。

さもありなん。

そう、今まさにCD焼きながらこれ書いてます。
オルカ団 東京ツアーの間留守を任されており、時間のある時にCDを焼いておくように、と命ぜられているのです。とはいえ、CD-Rをセットするのと、最初と最後にボタンをプチプチゆわしておけば、実際CDを焼くのは機械がやってくれますので、その間はごはんを食べたりおやつを食べたりしてもいいのです。

それにしても、おうちでCDが作れる(中身の録音は別ですけど)など、少し前まで思ってもみませんでしたね。CD作るなんて云ったらあんた、プレスからジャケットのデザインから全部業者に依頼して、それも 何百枚単位で。
いや、今もちゃんとしたのを作ろうとしたら、そういうルートでするんでしょうけど。とりあえず今回は100枚限定と云うことですし。

…で、ふと思ったんですけど、業者がでかいプレス機でCDばんばん焼いていくのに対して、今回のように1枚1枚手作業で焼いているのって、やっぱり 『手焼き』っていうのでしょうか。






オルカ団ニューアルバム『美味と珍味』。
1枚1枚心を込めて、
手焼きでお作りいたしました。






…なんか「おばあちゃんのぽたぽた焼き」みたいですけど。
そんな訳でここ数日、BGMは同じCDがぐるぐる回っている状態です。






…ちょっと飽きた。


2002年2月20日

あら こんな所に牛肉が

玉ねぎ玉ねぎ あったわね

ハッシュドビーフ

こんなに美味しくできちゃった♪

というコマーシャルを覚えていらっしゃいますでしょうか。

晩飯の献立を考えていた若奥様が、冷蔵庫をのぞいたところ、思いがけず薄切り牛肉が1パック出てきて、同じく余っていた玉ねぎと一緒にハッシュドビーフの素で煮込んで晩飯一丁上がり、というものです。
オクラホマミキサーのメロディも手伝って、当時一気に有名になったコマーシャルでした。

ところがその後、女性団体やら何やらからクレームがあったとかで事態は一変、次のバージョンでは唄の部分はそのままに、先程の若奥様が スーパーの精肉コーナーで「あら こんな所に牛肉が」と言って牛肉パックを手に取る、という訳分かんない映像にされてしまいました。

… 当時のこのコマーシャルへのクレームの内容は次のようなものです。





『主婦が、自分が買った牛肉が冷蔵庫にあるのを忘れるとは何事か!! 』




忘れますよねぇ。

どうですか皆さん。
このクレームをつけた方は、買物と調理という2つの行動の微妙なズレと云うものを分かってらっしゃらないと思うのです。

…あると思って買わなかったら玉子がなかった。
…ないと思って買ったら未開封のわさびが2本あった。
…納豆買ってねぎ買うの忘れた。
…店頭では消費期限をチェックするのに、冷蔵庫には1週間前の牛乳が。

「買物」とは、食品をスーパーから自宅の冷蔵庫に移動させる事
「調理」とは、食品を冷蔵庫から調理台及び食卓に移動させる事

であるとわたくしは認識しています。

この2つの行動の境界線に「冷蔵庫」と云うものが存在していますが、これが「買物」と「調理」を2つに分断してしまっているのです。

買物をして帰って、冷蔵庫の所定の位置にしまって、そこで落ち着くでしょう。
わたくしは落ち着きます。
とりあえずお茶を飲んでみたりします。
そうして程よいところで調理に移るのです。

そんな事が少しずつ積み重なり、買った物が時間軸に沿って冷蔵庫の奥に移動していきます。
そしてある日 「あら こんな所に牛肉が」 という現象が起こる訳です。

冷蔵庫は、記憶喪失の経過を具現化してくれる機械です。
買物の記憶は冷蔵庫で完結し、そこで記憶喪失を産み出します。
…乾いて反り返ったかまぼこ
…野菜室で形が崩れて液状化したきゅうり
全て記憶喪失のたまものです。

そんな風に冷蔵庫の中で死に絶えようとしている牛肉を発掘し、ハッシュドビーフと云う立派なメニューに昇華させてしまう、という点で、あのコマーシャルは実に優れた作品であると言えるのではないでしょうか。






…今の御時世だと、別の意味で物議をかもし出しそうですけどね。


2002年2月22日

『ソルトレークシティオリンピックで相次ぐ不当な判定に対し、
ロシアオリンピック委員会は、IOCに対しボイコットを表明』

というニュースを見ていた夫が、

「おー、ついにロシアが爆発したでぇ!」と色めき立っていた。

…のですが。

別の部屋にいたわたくしは、「ロシア」「爆発」の部分で瞬時に

『第二のチェルノブイリ、もしくはクルスク!?』
という見出しが頭を駆け巡ってしまい、

「えっ?何が!?」と別の意味で色めき立ってしまったのでした。






…言葉にも、食べ合わせの良し悪しがある、というお話でした。


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