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2007年9月16日

この夏は、何かとストローを使った。
家庭でのアイスコーヒーに。ダイエット用・牛乳で割るフルーチェ見たいな飲み物(オルビスHPより)に。カフェのテイクアウトのアイスドリンクに。自家製「カルアミルクのような飲み物(酒)」に、等等。
飲み終わる度に、軽くゆすいでゴミと化すストローに、少なからず心が痛んだ。
基本的にストローは使い捨てではないか。ゆすいで再利用したとしても数回。外側は洗えても、内側を念入りに洗うのは不可能。洗ったとしてもコーヒー等の着色汚れ、果物の繊維質なんかは残ってしまうではないか。
これはもったいない。内側もこすって洗って再利用したい。かといって綿棒では短くて洗えない。モールのような、トイレブラシの小さいののようなものがあれば洗えるではないか。そのような商品はないのか?

ふとひらめく。

ないのなら、作ってしまえば良いのではないのか?
「発明」「特許」という文字が渦巻く。
発明とはかのようにシンプルな発想から産まれるものである。
案を練る。
細長い樹脂の棒の先に、モールのような毛を植え、ストローの内側を洗えるようにしたもの。再利用出来れば、ほらテイクアウトドリンクのストローなんか、結構しっかりしている上に、おしゃれだ。それにほらほら、哺乳瓶を卒業した小児が用いる、ストロー付きのカップがあるではないか、あれにも使える。衛生的&経済的&ちきうにやさしいかも。
商品名は『ストロークリーナー(仮)』。そのまんまなところが良いではないか。
これは凄い発明かもしれない。
胸は高鳴る。
特許申請はどうすれば良いのか?試作品が必要なのか?
色々考えたが、まず大事なのは、既に類似品が出ていないかを調べることだ。
検索する。

…ありました。

しっかり「ベビー用品」として。しかも3社から(2007年9月現在)。
まあね。
庶民が思いつく限りのモノは、すでに世に出尽くしているんですね。
ドクター中松とか「年商3億円主婦」ってのがいかにすごいか実感しましたですよ。
ふんふん。
くさくさした気分で、3杯目のカルアミルクもどきを再利用ストローでちうちうしつつ。
…ドラッグストアで探してみようかなストローブラシ。


2007年9月20日

光市母子殺害事件の遺族・本村洋さんや、
松本サリン事件の被害者・河野義行さんらと同じ立場に立った時に、
自分は彼らと同じように振る舞えるだろうか。
悲しみに震え、
理不尽と対峙し、
感情に流されそうになりながらそれでもなお、
みじんも揺るがず、
ぶれず、
堂々とし、
そして冷静な判断ができるだろうか。
多分、いや間違いなく無理だろうな。


2007年9月27日

職場にて。
隣で誰かが電話をしていた。
「(どこどこの○○様が)見積もりが欲しいとの事です」が、
「ぬくもりが欲しいとの事です」と聞こえた。

職場にて。
トイレの帰りに通りがかった別部署で、誰かが電話をしていた。
「(まず新しい業務を)走らせる事が必要だと思うんです」が、
「橋田壽賀子が必要だと思うんです」と聞こえた。

早くおうちに帰りたいと思った。


2007年9月29日

特技もない。資格もない。子供もいない。社会に貢献出来る要素は何もない。
こんなわたくしが、せめて何か1つでも誰かの役に立つ事は出来ないものかと思って行なったのが、骨髄バンクのドナー登録だった。
結婚前の1994年登録だから、もう13年前になる。献血もしているし、こんなものでも必要としている人がいるなら、どんどん使ってくれと思ったのだ。
その後『適合の可能性あり』の通知も来るには来たが、再検査の結果、細かなレベルで型が適合せず。それでも、いつ何時適合する患者さんが現れるかもしれない、ということを考える事は、ちょっといい感じの刺激になったものだった。

ところが、ある日を境に状況が一変する。うつ発症による投薬治療が始まったのだ。
『全身麻酔下の骨髄採取に影響が出る恐れがある』との理由で、投薬治療中の人はドナーになれないのである。
ではどうするかと云うと、投薬が終了するまで「登録を保留」にして、ドナー検索の対象から一時的に外してもらうのだ。
もし適合する患者さんが現れても、骨髄液を提供出来ない。「あんたの骨髄は要りません」と言われているのだ。
ついでに云うと献血も出来ない。「あんたの血は要りません」と言われているのだ。
ええー、そんな事言わないで使ってくださいよう、と言っても無理。唯一お役に立てるチャンスだと思ったのに、今のわたくしは医学的には「要らない人」なのである。
嗚呼。

昨日の通院で、投薬治療も丸3年が経過した。
うつのそもそもの原因である職場に身を置きながらの治療なので、まあこの位長引いても仕方のない事なのではあるが、しかし長いな。
長いスパンで減薬傾向にはあるが、まだゼロにはならない。ドナー登録は現在も保留中だ。
とりあえず「ドナー登録復帰」という目標を掲げて、治療を続けることに決めた。

いつになったら復帰出来るのかなあ。


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