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2011年7月19日

とある町のお菓子屋さん。店長ひとりと店員3人。みんなでお菓子を作りながらお客さんの相手をしています。
ある日TVの取材でこのお店の「おひさまクッキー」が紹介され、その日からお客さんの数が一気に増えました。TVを見て遠くから買いに来たお客さんもたくさんいます。
それまでのんびりしていたお店は大いそがし。フル回転でお客さんをさばきますが、お店にあるレジは1台。接客をしている間に行列がどんどん長くなっていきます。
「早くしてくれよー」
「いつまで待たせるのよー」
長い時間待たされて、お客さんもイライラしています。
「申し訳ありません」ひとりひとりにお詫びをしながらみんなでクッキーを売りさばいていきます。

せいぜい一時的なブームだと思ったのですが、評判を聞いた新しいお客さんやリピーターも日に日に増え、それを聞きつけて雑誌やTVの取材もひっきりなし。全国から駆けつけたお客さんで行列はいつまでも続いていきます。
クッキーは十分な量を用意しているのですが、とうとう待ちきれなくて帰ってしまうお客さんも現れました。
店員は悩みます。せめてレジがもう1台あれば、ちょっとでも待ち時間を減らせるのに。
その日みんなで相談して、仕事が終わってから店長にお願いしてみました。
「最近、待ちきれなくてクッキーを買わずに帰ってしまうお客さんがいます」
「私たちの人数は足りているので、せめてレジをもう1台入れてください」
「レジを買うのが無理なら、電卓で計算してもいいじゃないですか」
「カード払いの人はレジ、現金払いの人は電卓で対応出来ますよ」
「このままじゃクッキーを買えない人が増えてしまいます」
店長は少し考えてから「よーし、わかった」と言いました。
これで少しはよくなるかも。店のみんなは安心して、その日は帰宅しました。

次の朝、みんなの前で店長は胸を張って言いました。
「レジを打てるパートさんを3人増やしたぞ!」


…業種は違うけど、今の職場ってこんな感じです。


2011年7月24日

2011.07.24.11.592011.07.24.12.002011.07.25.00.00

テレビのアナログ放送が遂に終わった。
何年も前からタレントや鹿が地デジ化地デジ化とうるさくて、くだらん番組ばっかり作りやがって誰がするかボゲエ!とか思っていたが、いざその瞬間に立ち会うと一縷の寂しさが…と思ったが特に何もなかった。
最後のNHK総合は黎明期の映像なんかを流して歴代最高視聴率は云々、とか言いながらいちいちゲストを呼んで思い出話をさせて、ああやっぱりこいつら分かってないわと思いつつ。放送終了の12時が近づいて天気予報が終わって、女子アナが「アナログのお前らもうすぐこんな感じで見られなくなるぞ」と優しくお知らせをして、最後に出てきたのはバイバイするどーもくんだったのはさすがにおお!と思ったが、数秒後にあっけなく放送が終わった。
うちはNHKしか見ていなかったが、民放各局はお祭り騒ぎでカウントダウンをやっていたらしい。莫迦じゃなかろか。それで視聴率がどのこの本気で言ってるのならTV局の人間は全員脳みそにおがくずが混ざってると思う。
で、こっちはと云うとアナログの終焉(→YouTube)を見届けた後、朝から見ていた大相撲名古屋場所ネット配信に戻り、日馬富士二度目の表彰式までのんびり見ていたわけで。思えば相撲を見るだけのために受信料を真面目に払ってたと言っても過言ではないのに、千秋楽を見られないってひどい仕打ちだよなあと。

そう、受信料である。
向こうから一方的にTVを見る権利を奪っておいて何が受信料か!というわけで、NHKのコールセンターに契約解除の電話を入れた。
→NHKオンライン「アナログ放送の終了によりNHKの放送を受信できなくなった場合の受信契約の手続き」
電話は0570のナビダイヤル。210秒ごとに10円かかるという。まだ金を取る気か!と毒を吐きながらガイダンスに沿って2番を押すと、程なくおねいさんが出てきた。
「えーと、アナログ放送の終了によりNHKの放送を受信できなくなりましたので、受信契約の解除をお願いします」
「かしこまりました」
その後幾つか確認事項。
・地デジが視聴出来ないのはTVがアナログなのか、アンテナが対応していないのか。
・契約は地上波かBSか。
・デジタルチューナー、ワンセグ対応のカーナビや携帯、チューナー付きPCはないか。
そこまでして見たい番組ないしーと思いながらも淡々と答えていき、契約解除対象と判断されたので書類を郵送するとの事。必要書類に記入・捺印して返送し、確認後1ヶ月以内に7月分の受信料が返金されるという。
「分かりました」
「最後に◯◯様から何か質問事項はございますか?」
言いたいことは山ほどあるが、どうせ相手はコールセンターの急場しのぎのバイトだろうし、文句を言ったところで上の人間は痛くも痒くもないことは分かっている。別に質問することはないので「いえ、ありません」と答える。
まあこんな感じであっさり終了。
もっと何かこう、「本当に視聴出来ない環境なのか確認に伺いますのでご了承下さいフフン」的なことを言われるのかと思って、「どうぞお越しくださいフフン」って言おうと構えていたがそれもなく、あとは書類が届くのを待つのみとなった。

さあどうしようかなTV。15インチのブラウン管と液晶の2台あるんだけど。どっちもいらないんだが、液晶は夫の映画DVD試聴用に使うだろうな。今後どうするかは分からんけど、当面はラジオとネットと新聞で事足りるか。大相撲中継も最近は実況アナがうるさいと思うようになったし別にいいや。ああ、ゆく年くる年が見られないのだけはちょっと寂しいかな。TV欄要らないんだから新聞割引ないかな、って無理よね。
まあそんなことを思う静かな夏の夜。


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