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2015年9月7日

献血が好きだ。
現時点での献血回数25回と、「まあ凄い!」と言われる頻度でもないが、好きだ。
時間が許せば成分献血バッチコイだし、これまでも体重さえクリア出来れば400ml全血だって喜んで提供していた。
もう長いこと基準体重を下回っているので400mlは無理だが、それでも成分献血はまだ余裕、だと思っていた(どうしても400ml抜いてもらいたくて一度体重サバ読みしたことがあるが、その場で体重計に乗せられてバレた)。
先日、平日のお昼に久しぶりに献血ルームへ。薬の服用、海外旅行の有無などのいつもの同意書に目を通し、本人確認をしてタッチパネル機へ、と行く前に体重を計らされた。
成分献血の基準(女性40kg〜)はクリアしている。※参考:日本赤十字社による献血基準表
ところが。

「今日はもう血漿の量が足りているので血小板の方を、と思ったのですが、この身長ですと体重が53kg以上ないとお願い出来ないんです」
「はあ」
「200mlでしたら可能なんですが、今日は病院からも200mlの要請が来ていませんので、大変申し訳ありませんが今日のところは…」
「そうですか」

何と、検査も受けないまま断られてしまった。
…実は昨年(2014年)の献血、2回受けた2回とも、同じ理由で200ml全血だったのだ。200mlつったら今や献血カーではお断りされる量だ。
「やせてる方ですとどうしても血小板の数が不足しがちですので…」と云うのがその理由らしいのだがちょっと待てや、ここ数年体重はほとんど変わっていないが血小板もばんばん抜いてもらってるぞ。血小板の数がって言うが、ワシの血小板は20万以上あるぞ(※基準は15万/μl以上)。
血液検査で比重不足で返されるとか、本日の献血量全て達成!で返されるなら分かるが、これは何なのか?全国的にこうなのか?事故でもあって基準が変わったのか?だったら献血基準表にも追記しとけやって思うが。
まあ実質、「あんたの血要りませんわ」って言われた以上「まあそう言わずに」って押し切るわけにもいかず。

これってちょっと、何かやだあ。


2015年9月16日

足首を捻挫した。2週間前、ちょっとした路肩の段差でがくっと捻ってしまったのだ。
それ自体はよくあることで、たいていはそのまま自然に治っているものなのだがどうも痛い。何せ捻った直後にバランスを崩して地面に手を付いてしまった。痛さよりも何よりも、そんなことで転んでしまったことがショックで、「これが老いか…」と白鵬みたいなことを口走りながらすぐに立ち上がって歩き出すもとにかく痛い。いやいやいつものことだと言い聞かせバスに乗って市内に出向き、用事を済ませて帰ってきたがまだ痛い。とりあえず氷枕で冷やしてみたがよく分からぬ。病院も既に閉まっている。どうにも痛くて歩きにくくて不便なので、多少その辺の心得のある夫に相談してテーピングを施してもらった。
このテーピング。巻いてもらった直後はどこがどう違うのか分からないのだが、しばらく歩いてみてその効果を実感することになる。痛みが和らぐ。関節の不安定さがなくなる。足が軽くなる。何よりも患部を気にしなくていいこの安心感。ただ布テープを貼るだけでこんなに違うのかと感嘆したのであった。

さて現在開催中の大相撲9月場所。
土俵に上がるお相撲さんの中にも、膝やら足首やら手首やら指やら腰やら何やらにテーピングやサポーターやバンデージなどを施しているのをよく見受ける。
それは今現在絶賛治療中だったり、古傷の爆弾を抱えていたり、怪我の予防だったりと目的は様々だ。 そういうのを見て「体にテーピングが多いですね」とか「誰々は体に白いもの(=テーピング類)がなくて立派ですね」とか言う人もよく見受ける。
ただ、お客の立場で「テーピングばっかり!」と言うならともかく、相撲経験者や親方衆がそれを言うのはちょっと待てよと思う。もしも「昔はこんなことはなかった」「俺は現役時代我慢したんだからお前も我慢しろ」という気持ちで言っているのなら、それはやめてくれと思うのだ。
「土俵の怪我は土俵で治せ」という言葉がある。相撲勘が鈍ってしまわないようにという理由もあろうし、もちろんそれで状態が良くなることもあろうが、それは程度の問題だ。場所が終われば巡業もあるし、色んなイベントに駆り出される。大相撲には基本的にオフシーズンというものがないので安心して治療に専念する暇などない。それに「土俵の怪我は〜」と仰るのはたいてい、土俵の怪我を土俵で治してたまたま大丈夫だった方々だ。怪我を押して土俵に上がって、そのまま再起できずに消えてしまったお相撲さんもたくさんいるはずだ。何度もいうが、「痛みに耐えて」ガクガクの膝で土俵に上がるお相撲さんはもう見たくないのだ。
“白いもの”についてもそう。これまでは「そりゃ痛いからテーピングしてるんだろ」程度の漠然とした思いしかなかったのだが、今回自分がテーピングの恩恵を受ける身になってよく分かった。
テーピングって凄いのだ。科学的にもその効果は証明されているし、何よりも精神的な安心感が凄いのだ。少なくとも土俵に上がっている間、痛みや不安や何やかんやを忘れて、最大限の力を出すことが出来るのだ。足首捻っただけのシロウトと比べものにはならないと思うが、おそらくそうなのだ。テーピングを巻くだけでQOLならぬQOD(クオリティ・オブ・ドヒョウライフ)が上がるのだ。たったそれだけでお相撲さんの最高のパフォーマンスが見られるなら、何の文句があろうか。怪我は力士の勲章と言うなら、それを覆う“白いもの”をさらけ出している姿すらもむしろ美しいではないかと思うのだ。

もちろん、今後ヘッドギアを着けたお相撲さんが出てきたりしたらちょっと考えますけどね。


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