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2015年12月31日

毎年、大晦日にはカレーを仕込む。
元々は夫の発案であったが、それから結婚後20年、おせちカレーを作るのが大晦日の風物詩となった。
おせち料理を一度も作ったこともない人間が言う資格はないが、正直そんなに美味しいものでもない。それでも双方の実家に年始挨拶に行けば自動的に口にする。しかも三が日の保存食だと言っても、ここ数年は夫が年明け早々ツアーで家を出ているので食べきれない。
おまけにおせち料理は冷たい。
いにしえの人はこう言った。
「おせちもいいけどカレーもね」
そうだカレーだ。

さて。ここ数年すっかりカレー係となったわたくし。1週間前から謎の咳に悩まされ、寝不足も加わって体調は最悪だがカレーは作らねばならぬ。
とにかく体が肉を欲していたので、鶏もも肉と豚肩肉を買ってきて、いつものインド式から離れて「具材ゴロゴロ日本式カレー」にしてみた。
玉ねぎは半量をみじん切りにしてうま味出し用、あとは他の野菜と一緒に大きめにカット。肉類は一口大に切って事前にフライパンで表面をカリッと焼いておく。あとはいつも通り、野菜を炒め肉を入れスパイスを投入し水を入れて煮込み、塩とガラムマサラを入れて終わり。
全工程1時間ほどで約5kgのカレーが完成した。
今回クミンパウダーを切らしてしまっていたが、具材の様子を見てクミンの代わりにS&Bのカレー粉(赤缶)を入れてみたらこれが功を奏した。
大きめに切った肉野菜とマッチして一気に小学校のキャンプのカレーの雰囲気である。キャンプカレーと違うのはとろみがない点だけだが、一晩寝かせれば煮崩れたジャガイモがとろみと化してくれるはずだ。
気がつけばあれだけどんよりしていた体調が一気に好転して胃がごうごうと鳴っている。
素晴らしい。
無病息災を願っておせちカレー。お屠蘇だってスパイスだ。
佳いではないか。
カレーと一緒に一晩寝て朝になればお正月だ。

その前に年越しそばだ。


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