本日の粋なことばの行

<<<粋なことば一覧


◇「むぐ」

「(果物の皮、さかむけ、かさぶたなどを)むく」という意味。
過去形は「むいだ」、否定形は「むがん」となる。
  • 使用例
    「りんごがあるけん、1個むいだげようか?」

  • ◇「むけて」

    漢字で書くと「向けて」になるのだろうか。
    「○○へ向けて〜する」という使い方が一般的だが、ここでの「向けて」は、
    動作の方向を示すものではなく、その動作が作用するポイント接触面を指している。
    (例:脇腹へ向けてどすを突き付ける)「どしゃげる」 「ねと」参照
  • 使用例(井戸端会議にて)
    「近所のガキが、塀へむけて落書きしまくったらしいよ。」

  • ◇「めげる」

    「壊れる」という意味の広島弁。
    標準語で「これにめげずにまた頑張って…」とかいう形で使われているが、
    広島弁においてはこういう使い方をされることはない。あくまでも「壊れる」のみ。
    複雑な活用形態を持っているので、下記に示す。
    ・めげる 「壊れる」
    ・めぐ 「壊す(故意)」
    ・めがす 「壊す(過失)」
    ・めがん 「壊さない」
    ・めげん 「壊れない」
    ・めえだ 「壊した(故意)」
    ・めがした 「壊した(過失)」
    ・めぎよる 「壊しつつある(「めぐ」の現在進行形)」
    ・めげよる 「壊れつつある(「めげる」の現在進行形)」
    ・めげ 「壊せ(「めぐ」五段活用の命令形。実際は使用されない。
     通常「めえだれ(壊してやれ)」又は「めがす」の命令形「めがせ(壊せ)」を使用)
    ・めげとる 「壊れている」
    ・めごう 「壊そう」
    ・ぶちめぐ 「完膚なきまでに壊す(強調「ぶち」との組合せ)」
    注:「めぎよる」「めげよる」はそれぞれ「めぎょーる」「めげょーる」と発音されるが、
    聞き分けるには熟練を要する。
  • 使用例(オフィスにて)
    「マウスが動かんのじゃけど。 めげとんかね」
    「ゴミが詰まっとんじゃないん、ホコリが多いけん」

  • ◇「もげる」

    おそらくほとんどの人が連想するであろう「もげる」とは異なる。
    わたくしが幼少の頃、保育所でひとつ年下のかよちゃんが、「しっこがもげる!」という用法で使っていた。
    「かよちゃん、『もげる』じゃなくて『もれる』じゃろ?」と言っても、
    「ちがう!」と言って一歩も譲らなかった。
    もしや『膀胱ぱんぱんで、もうちぎれそうですわ』という事だったのだろうか。
    そりゃ大変だ。
    かよちゃん元気でしょうか。