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2002年12月12日

わたくしの実家では、土曜日の夜などに家族揃って焼肉、と云うのが月に1回くらいの割合でありました。
…今でこそ、焼肉食べ放題のお店など珍しくないですが、当時しかも田舎にそんな店があるはずもなく、焼肉と云えば家庭でするもの、というのが普通だと思っていました。

ところで皆様。
焼肉と云えばどの部位のお肉を連想されますか?ロースでしょうかカルビでしょうか、それともタンでしょうか。
当時、他のご家庭がどうだったのかは存じませんが、我が家では焼肉と云えばホルモンでした。
もちろんロースやバラの部位もあったのでしょうが、それらは全部『肉』としか呼んでいませんでしたし、むしろあまり人気はありませんでした。
他は省略しても、焼肉にホルモン(今考えると大腸ですね)とセンマイは欠かした事がありません。量も豪快で、たれに漬け込んだやつを5人家族でボウルいっぱい。箸で1枚1枚焼いていく、というちまちました事はせず、適量をボウルから直接ホットプレートにぢゅぢゅぢゅと。

ああたまらん。よだれが出てきた。

…と云う事を思い出したという訳でもないのですが、最近は週に1回はホルモンやスジ肉なんかを食べてます。夫の入院中、家計を切り詰める為に安価な部位を、なわけはなくて、単に体が臓物を欲しているという感じで。

ただ、さすがに「独り焼肉」は侘びし過ぎるので、もっぱら煮込みに徹しています。大抵思いつきで買ったホルモン類を2〜3種類(ちなみに本日は牛大腸とセンマイとアキレス)。下ゆでして鍋に入れ、水、酒(本日は切らしてたので「いいちこ」)、塩少々、しょうゆ少々、黒酢(中国の「香醋」)少々、生姜、胡椒、クローブなどを思いつくままに投げ入れ、気が済むまで煮込みます。アキレスがとろとろになったら、ざく切りのキャベツを投入。キャベツがしんなりしたら出来上がり。
白いご飯があれば十分です。
少し多めに作って、鍋の中身が減ったらキャベツやネギ、またはカレー粉を入れてみたりすると、それだけで別メニューが出来ます。

ああたまらん。
良い作品が出来た時は、入院中の夫にもおすそわけします。

しかし、このメニューの難点は、弱火でことこと時間がかかり過ぎることです。

…そんなわけで、勢いで注文してしまいました、念願の圧力鍋。
これでスジだろーがテールだろーが、あっ、魚もいけるな。イワシやメバル煮付けて骨ごとまりまりと。
なに、「ご飯もおいしく炊けます」と書いてある。そうか炊くのか。では炊いてみようではないか。
…って、まだ届いてないんですけど。

ああたまらん。


2002年12月15日

北風がしばれる冬のある日。
お洗濯物を取り込もうとベランダに出たところ、吊るしてあるタオルにミツバチが止まっていました。

ミツバチ(マクロフラッシュ撮影のため背景が真っ暗ですが、実際は午後4時過ぎです)

カメムシなら即行、デコピンで弾き飛ばすところですが、クモとミツバチには寛大なわたくし(凄まじい動物差別)。そのタオルは残して、他の衣類のみを取り込むことに致しました。
衣類を全てたたみ、所定の場所にしまってさてとベランダに出てみると、先程のミツバチがまだそこにいるではありませんか。

おい君、そろそろどいてくれないか。
すぐ逃げるだろうと思い、タオルを軽く揺らしてみましたが、逃げる様子はありません。
両足には花粉団子がついているので、おそらくお使いの帰りでしょう。
ただちょっと動きが鈍いようです。寒いのでしょうか。とはいえこっちも寒いので、そのまま部屋に戻りました。

…数分後、さすがに気になってベランダに出てみると、何とミツバチが2匹に増えています。
後から来た方は花粉団子がありません。今からお使いに行くところなのか、もしくは帰りの遅い同僚を探しに来たのでしょうか。

お迎え 「おい、おかんが待っとるで」

2匹はしばらく触角をすり合わせ、何かぶつぶつと会話をしていましたが、少しするとお迎えのミツバチは何処かへ飛び去って行きました。
再びベランダには花粉団子の彼1匹。
動けないのかと思い手を差し伸べると、そのままわたくしの指先に移ってきました。全く逃げる様子はありません。

…テントウムシは、ある物体の先端まで移動すると、そこから飛び立って行くという習性があります。それにならって、ミツバチの止まった指を上に向けてみました。
ミツバチは上へ上へと歩いて行きます。
よしよしと思ったのですが、先端に到達するとそのまま下向きに降りて来てしまいます。

…だめじゃん。

あるいは体温の高いミツバチのこと、本当に寒くて動けないのかもしれません。
しばらくベランダに座り、ミツバチを手にのせて様子を見ていました。
良く見ると、右の触角が少し切れて短くなっています。もしやこれが原因か…?と思ったその時、ふいにミツバチが飛び立ちました。
しかし、お、やった!と思うが早いか、何とベランダの手すりに真正面から激突。「こん」という音を立ててミツバチがへなへなと落ちてきました。
もはや本気でだめかもしれません。仰向けに転がった彼を拾い上げ、手にのせて部屋に戻り、温めてやることにしました。

…困りました。別にミツバチ1匹助けて、どうなるもんでもないのですが、既にちょっと情が移ってしまい、そうも云っていられなくなりました。

あのーすみません、そろそろ晩ごはんの支度をしたいのですが。
ひとりごちて、はたと気付く。
…腹が減っているのではないのか?
まさかね、とは思いつつ、台所に行き、蜂蜜の瓶を開けました。割り箸の先に蜂蜜を少しつけ、ミツバチの止まっている手の上に滴下しようとしたその時です。
ミツバチが急に勢いづいて、垂れ落ちる蜂蜜に両手を伸ばしているではありませんか。
わたくしは己の目を疑いましたが、次の瞬間。1滴落とした蜂蜜に、猛然と食らいつくミツバチが。

飲んでます 食らいつくミツバチ

…アップにしてみましょう。

ほらほら食らいつくミツバチ

細い口の先端から、更に細い舌のようなものが出て来て、ぺるぺると蜂蜜を舐めています。
…凄いです。こんなの昆虫図鑑でしか見たことありません。左手にミツバチをのせ、右手でカメラをセットして、興奮しながらマクロ撮影に挑むわたくし。
さぞや滑稽な光景でしょうよ。

そのまま約1分。満足したのかミツバチは顔を上げ、すっと向きを変えて、開いた窓からまっすぐ夕暮れの空へ飛び去って行きました。
左手には、半分減った蜂蜜が。それを舐めながら夕焼けに向かって思う。



野郎、腹減って動けんかっただけかい!!

※補足:働きバチはすべてメスです。


2002年12月18日

1億3000万人が選ぶ!_2なんかどっかで見たような…。


2002年12月24日

12月23日のことを、クリスマスイブの前日、という意味で『クリスマスイブイブ』と呼ぶのが既に通例となってしまっているようですが、何となくネーミングセンスが愛川欽也ぽくて嫌です。


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