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2012年8月28日

プリンタが届いてやれやれと思っていたら今度は炊飯器が壊れた。
8月に入ってすぐのこと。夫が炊いてくれたご飯の様子がどうもおかしい。ベチャッとしていてしかしボソボソ。食べてみてもなんか変で、何と合わせてみてもおいしくない。しいて言えば雑炊に使う洗ったご飯みたいな食感。
当初は「水の分量を間違えた?」くらいに考えていたが、翌朝私が炊いてみたら全く同じ状態のご飯が再現されたのだ。うっかり夫に濡れ衣を着せてしまった。すまぬ夫。

さて。
「水がぬる過ぎた?」「暑さでお米がやられた?」色々原因を挙げてみたが、「まさか炊飯器がおかしいのでは?」という嫌な考えがよぎる。
うちの炊飯器は、炊飯中に圧力をかけるために10回沸騰モードに入り、その際に「ふごおおおおおお」とかなりの音が響くのだが、そういえば今朝はその回数が少なかったし、沸騰の音も弱かった様に思う。
修理or買い替え。またかよ…。
でもその前に問題の切り分けが必要だ。まだ炊飯器がクロと決まったわけではない。…でも条件を変えてもう1回炊飯器で炊いてご飯がダメになるのもいやん。
そこで、米や水に問題が発生していないか、圧力鍋で何度か炊いてみた。
とても良質の銀シャリが炊き上がった。米も水も異常なし。やはり炊飯器だったか。
修理or買い替え。

…通販生活で買った鳥取三洋のIH圧力炊飯器。ご飯の仕上がりには定評があり、ずっとお世話になってきたが、現在はパナソニックに吸収合併されトリさんブランドは姿を消した。
今通販生活で売ってるのは虎印の炊飯器。価格は47,250円。もちろんまだトリさんの修理は出来るそうだけど…、
とここでふと考えた。
電気炊飯器でなければならない理由は?
「おいしさ→ガス炊きの方が上」
「洗いやすさ→実際は部品が多くて変な所に汚れが溜まる」
「予約炊飯→電気圧勝」
「値段→高い」
「メニュー→他で代用可」
「時間→ガスの方が早い」
「光熱費→ガスの方が」
…結局予約が出来るってだけか。スイッチひとつで色んなメニューが!とか言ってもそんなに使わんしなあ。
確かに朝起きたら炊きたてご飯!仕事から帰ったら炊きたてご飯!っていうのは魅力だけど、結局電気炊飯器の最新技術って、直火の「ゴーゴーぼこぼこ」っていう沸騰っぷりにいかに近づけるかの一点だけなんだよなあ。準備さえしとけばガスだとすぐ炊けるし。いっそのこと圧力鍋で炊くか?とも考えたが、圧力鍋でおかずを作りたい時どうする?
ってんで、炊飯専用鍋を買うことにした。
まず思いつくのが土鍋だが、重いしこびり付きそうだし毎日使うには現実的でなさそうなので却下。ステンレスやアルミ、チタンの炊飯鍋があることを知り、情報収集。
金属加工で有名な新潟県燕市のメーカーの鍋が良さげで値段も10,000円ちょっと。仕様も口コミもチェックしてさあ、と思ったところでちょっと待てよと。
今住んでいる場所。近所に地元の金属加工の会社があるのだが、実はここ、工業製品以外に家庭用の調理器具も製造していて、あの「無水鍋」で有名なメーカーだったりもするのだ。
何だ、ここの鍋買えばいいんじゃん!品質いいらしいしロングセラーだしお値段も手頃だし、しかも調べてみたら、無水鍋よりも更に炊飯用に特化した「ごはん道楽」なんてのも出てるじゃん!良さげじゃん!何と言っても地場産業じゃん!地域に貢献出来るじゃん!おしい広島県じゃん!(数年後に見て分かるのか?)
早速公式サイトオンラインショップで注文。カートをポチる寸前でまた考えた。
直接買いに行けばいいじゃん!
…つか、工場で直販してるのか?
悩んだ末、公式サイトの問い合わせフォームで「そちらで直接買いたいんですが」とメールを送る。
お盆休みをはさんで数日後、担当者の方から直々に電話がかかって来た。
「せっかくですので、まずサンプルを実際に見て、気に入ってもらえたら買って頂く、というのはどうですか?」
「見ます見ます!」
電話を切ってその足で事務所に鍋を見に行った。
展示してある実物サンプルを触らせてもらったり、使用方法やお手入れ方法の質疑応答、メリット・デメリットも色々説明して頂いた。
3合炊きだが、思ったより小ぶりで使いやすそうだし、厚手でも土鍋のような腰に来る重さでもない。
「もうこれ持って帰りたいんですけどいいですか?」
「あー、それはメーカーさんに怒られますので…(製造と販売の部門は別会社名義)」
現在メーカー欠品中だが、1日2日で取り寄せてもらえるとのことで当然お願いする。
2日後、「お待たせしました」と電話。お金を持って事務所へ。箱から出して内容確認。改めて使用上の注意など細かく説明。お代と引き換えにお鍋を頂いて帰る。12,800円。電気炊飯器の4万いくらの事を考えると嘘みたいである。浮いたお金でおひつを買ってしまった。
使う前に黒ズミ防止のためのひと手間。最初のご飯はそのひと手間が不十分だったせいか、おねばがちょっと黒くなってしまったが、炊き上がりは文句なし。
2回目以降はきれいな銀シャリで、弱火時間を調整するだけで固さもおこげも自由自在である。
デメリットに挙げられた「こびりつき」も、鍋の内側に出来るおねばのおかげで、米粒のこびり付きは意外と少なく、使い終わってしばらく水に漬ければスポンジできれいに落ちる。今まで内ぶたやらタンクやらパッキンやら何とか弁やらをいちいち外して洗ってた事を考えたら楽楽。
余ったご飯はおひつに移して冷蔵保存。朝まとめて炊けば夜はレンチンで十分。予約炊飯が出来ない不便さもほぼクリア。単機能ばんざい。

…実はこの間に20年もののオーブンレンジも逝去。コゲコゲのオーブントースターとセットで買い換えたのだが、オーブン機能を捨てたシンプルな電子レンジと、25cmピザが焼けるちょっといいオーブントースターに変更したら、数万円の出費予定が1万円で済んでしまった。単機能ばんざい。
「ごはん道楽」1個の値段の方が高いんだけど、まあこれからフルに活用するからいいってことよ!
ごはん道楽


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