本日の粋なことばの行

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◇「かす」

「(液状の物に)しばらく浸しておく」という動詞。お台所関係で使用することが多く、おおむね「かぶるくらいの量(「ひたひた」より多い)」に浸しておくことを指す。

  • 使用例(家庭にて)
    「おこわを炊くけん、もち米をといでちいとなかかしとって

  • ◇「ごっとりさんがーごーじー」

    このコーナーを立ち上げるきっかけとなった単語。
    どちらも「蝉の幼虫」をあらわす言葉で、前者は父、後者は母がそれぞれ主張していた。
    しかし他で使われているのを聞いたことがなく、てっきり造語だと思っていた。
    調査の結果、「ごっとりさん」については、「アリジゴク(ウスバカゲロウの幼虫)」を表わす広島弁であることが判明。同じく地中に生息することから、蝉にも転用されたのではないかと推測される(ちなみに父は「ごっとりごっとり歩くからごっとりさん」説を唱えている)。「さん」付けに出来るくらい、昔は当たり前にいたのであろう。
    …問題は「がーごーじー」である。どう考えても成虫(この場合は蝉)の鳴き声ではないかと思うのだが、本当にこれが蝉の「幼虫」を指すものであるのか、全く自信がなかった。
    ところが最近、あるサイトで有力情報を入手。『広島弁講座』というページに、「がーごーじー」が載っていたのである。
    語源は分からないが、とにかく方言として使われていると言うことが判明。
    ようやくすっきり出来たのだが、ここで疑問が。
    「蝉の幼虫」って、正式名称はあるんだろうか?

  • 使用例(家庭にて:実話)
    わたくし「あんねえ、ごっとりさんとかがーごーじーとか、よそでは使わんけん、通じんよ」
    母「ほうなん。わたしら普通に使いよるけんねぇ。じゃあ、よそでは何て言うん?」
    夫「…蝉の幼虫は『蝉の幼虫』ですけど…」

  • ◇「きれいなかった」

    広島弁の中でも特に誤解されやすい言葉。
    「綺麗」「なかった」と区切って「綺麗ではなかった」だと思われがちだが、実は「綺麗」「な」「かった」で「綺麗だった」という意味になる。では「綺麗ではなかった」はどうなるのかというと、「綺麗」の次に「に」を入れて「きれいになかった」となる。たいへん難しい。

  • 使用例
    「お嫁さんきれいなかった?」
    「いや、そんなにきれいになかったよ」

  • ◇「こづむ」

    「積み上げる」という意味。

  • 使用例
    「みかんもいだやつ、そこへこづんどるけん、要るだけ持っていね

  • ◇「こまい」

    「小さい」と云う意味。「ちさい」と同義。

  • 使用例
    「iPod Nanoゆうたらこがあにこまいんね!」
    「声がでかいわ」