『うさぎで一杯』web版 ＜＜＜うさぎ一覧

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第13回：網戸、がんばる

うさぎの日光浴が出来る！！。
幾つかの候補の中から、今の部屋に決めた一番の理由がこれであった。
東向き５階建ての５階。午前中はたっぷり陽が当たる。ベランダの外は川が流れ、他からのぞかれる心配はなし。さぁ、イグアナを思う存分日光浴させてやるが良い！と言っているような環境ではないですか。
お陰で、人間側の時間が取れる限り日光浴はさせてやった。陽を浴び続けて、飽きたうさぎの方から部屋へ戻って行く程である。
さて最初の夏のある日。日射しに反応したうさぎが早速「出せぇ！」と網戸をがりがりし始めた。わたくしは台所で片付けの最中だったため、そのまましばらく放っておいた。
さて、一段落してさあうさぎにリードをつけて、と思ったらうさぎがいない。よく見ると、網戸の向こうにうさぎが見える。何だ、先にベランダに出てるじゃないか。
…えっ、でも網戸閉まってるよ。何で？
慌てて網戸を見ると、先程うさぎが引っ掻いたと思われる部分が、20cm程ばっくり破れているではないか。
あああああ、駄目だ駄目だ駄目だ！！！
まず落ち着いて、丸腰のうさぎにリードを取り付ける。そして網戸。もともと付いていた網が弱っており、破れかけたところへうさぎが体重をかけ、ぢりぢりと押し破ったのだろう。しかも網自体が枠から浮いている。事態は思いのほか深刻だ。ガムテープで応急処置をしたものの、見た目が貧相な上に、数日後にはうさぎが同じ所を押し破って、傷を拡げてしまった。うさぎの脱出も困るが、このままだと夜には羽虫が入り放題である。
我々はついに網の張り替えを決意し、ホームセンターへ向かった。とはいうものの、張り替えてすぐまた破られたらどうする。悩みながら『網戸』コーナーで物色していた所、ノーマル網にまじって「アルミ製防虫網」という物があった。農業用だが、通常の網戸用にも使用可能とある。厚みも通常のポリプロピレン製のものとほとんど変わらない用だ。少々割高だがこれを利用しない手はない。
我々は、アルミの網と網戸張り替え用ローラーを購入。ベランダで早速張り替え作業に取りかかった。網戸の張り替えは初めてだが、やってみたら意外と簡単だった。大変なのは、網戸を外してベランダに置いている間の足場がなく、大股かっぴろげて作業をしなければならない事くらいか。
ともあれ無事張り替え終了。これでうさぎにがりがりされても体当たり食らっても、少々の事では大丈夫だ。ひとまず2000年の夏は乗り切った。
翌2001年の夏も乗り切った。
そして2002年夏。…何かやたら小さい羽虫が飛び交うようになった。不審に思い網戸を見ると、何カ所か細かい裂け目が出来ており、そのうちの一つは数cmにも及んでいる。毎日少しづつうさぎが引っ掻いた結果だろうか。
イグアナ、恐るべし。
※注意：アルミ製防虫網を裁断する時、数ミリの針状のアルミ片が無数に飛び散ります。特にベランダで張り替えをする場合は、作業終了後念入りに掃除機をかけて下さい。足の裏に刺さったり、イグアナが舐めて飲み込んでしまったりするおそれがあります。…いないとは思いますが、室内での張り替えは避けて下さい。

【イグアナ通信No.14（2002年9月12日発行）掲載分】